FIREに必要な生活費は月55万円|住宅購入と第二子誕生を機に家計を総点検した

住宅購入と第二子誕生を機に、家計を総点検した
2026年1月に一軒家を購入し、2026年9月には第二子が誕生予定です。家族構成もお金の流れも大きく変わるタイミングなので、以前から続けている家計簿を使って「FIREするなら生活費は月いくら必要か」をあらためて積み上げ計算してみました。今回はその過程と結論をまとめます。
2024年1月〜2026年8月、32ヶ月分の実績を項目ごとに集計
家計簿は項目ごとに月次で記録しているので、2024年1月から直近2026年8月までの32ヶ月分を項目単位で集計し、合計・平均・最大値を算出して分析しました。そのうえで、それぞれの項目について「今の実績」をベースに今の予算を改めて見直してみました。
FIRE視点で「本当に必要な項目」だけを積み上げると月55万円
家計簿の全項目には、iDeCo(401k)やNISA、貯蓄性の保険といった「資産形成のためのお金」も混ざっています。これらはFIREを達成した後も継続したい項目もあれば(iDeCoは継続予定)、資産の取り崩しフェーズに入ればNISAの積立は不要になります。
そこで、FIRE後も生活のために確実に必要になる項目だけを抽出して集計したところ、月551,440円、年間換算で6,617,280円という結果になりました。これまでの実績ベースで同じ計算をすると月507,940円でしたが、第二子の誕生もあり、月4万円強、生活防衛ラインが切り上がったことになります。
現状の実績ベース | 今回の見直し後 | |
|---|---|---|
月額 | 507,940円 | 551,440円 |
年間換算 | 6,095,280円 | 6,617,280円 |
見落としがちな盲点:保育料が消える代わりに社会保険料が発生する
集計していて気づいたのが、保育料(月約7万円)の扱いです。日本の保育園は「保育の必要性の認定」が前提になっており、就労や求職活動などの事由がないと継続利用できません。つまり、夫婦そろって完全に無職(FIRE)になった場合、この保育料はまるごと不要になる可能性が高いです。
一方で、会社員をやめれば厚生年金・健康保険から国民年金・国民健康保険への切り替えが必要になります。国民年金は1人あたり月1.7万円台の定額、国民健康保険は前年所得をベースにした自治体ごとの計算になるため正確な金額は読みにくいのですが、ざっくり試算した限りでは、夫婦2人分を合わせると保育料で賄える額と想定しています。(実際には現在の保育料と比較してもう少し低くなると想定)
そこで今回は、保育料の予算枠をそのまま「国民年金+国民健康保険の概算」として転用する形で見積もっています。保育料がなくなる代わりに社会保険料が同じくらい発生する、という前提です。正確な国保の金額は自治体のシミュレーターで確認できるので、今後より精緻化していく予定です。
総務省の家計調査と比較してみた
「無駄な支出はしていないはずなのに、なぜ月50万円以上も必要になるんだろう」と気になったので、総務省統計局「家計調査」の2025年データ(4人世帯・有業者1人・年間収入階級別)と比較してみました。
項目 | 家計調査 平均 | 家計調査 900〜1,000万円層 | 我が家(見直し後) |
|---|---|---|---|
食料 | 103,269円 | 108,633円 | 53,000円 |
光熱・水道 | 24,173円 | 23,890円 | 23,000円 |
通信 | 12,174円 | 12,317円 | 5,500円 |
教育(保育料含む) | 37,271円 | 33,893円 | 69,000円 |
教養娯楽 | 41,511円 | 43,171円 | 30,000円(旅行費のみ) |
食費・通信費はむしろ平均より大きく下回っており、携帯電話をMVNOにしていることも効率化に貢献していそうです。教育費(保育料)だけ平均より高めですが、これは保育料が所得連動制であるための自然な結果で、前述の通りFIRE後は社会保険料に置き換わって消えていく見込みの項目です。総支出ベースで見ても、住宅ローンの元金返済・税金・投資積立を除いた純粋な生活費相当額は月337,940円ほどで、家計調査の全国平均(372,911円)や900万〜1,000万円層(382,751円)を下回っていました。無駄遣いをしている感覚がなかったのは、数字の上でも裏付けられた形です。
結論:バッファを見て月60万円、配当課税を考えると額面は月75万円?
FIRE後に確実に必要な生活費は月551,440円という計算になりましたが、国民健康保険の見積もりの粗さや、想定外の支出に備えるバッファを見て、当面は月60万円(年720万円)を生活防衛ラインとして考えています。
ここで一旦税金を無視して、この60万円を配当収入だけで賄うケースを考えると、話はもう一段複雑になります。株の売却益であれば元本部分には課税されませんが、配当金は受け取った金額の全額が課税対象になり、特定口座で受け取る場合は20.315%の税金がかかります(NISA口座なら非課税)。つまり特定口座中心で配当を得る場合、手取り60万円を確保するには額面で月75万円、年900万円程度の配当収入が必要になる可能性があります。NISA枠をどれだけ活用できているかで、この必要額はかなり変わってくるはずなので、次はその内訳も踏まえて試算してみたいと思います。
昔は月に30万円あれば一家で生活ができると思っていました。住宅ローンの支払いがあるということも理由の1つですが最低でも月に55万円以上は必要ということがわかりました。生活を切り詰めればもう少し予算を下げられることはできますが、自分のFIREしたいという思いで家族に窮屈な思いをさせるわけにもいかず、この生活費を賄えることが責務だとも思っています。
とはいえ、現実を考えると一気にハードルが高くなりました。これをベースに如何に現実ラインに近づけるか試行錯誤が必要そうです。