auじぶん銀行が10月から変動金利0.6%引き上げ|「5年ルール」の盲点と借り換えを考えるべき理由

「ネット銀行なら変動金利が一番安い」というのは、少し前までは当たり前の常識でした。しかし最近は状況が変わりつつあります。SBI新生銀行やAUじぶん銀行といったネット銀行系がこれまで変動金利の最安値争いを引っ張ってきましたが、ここ最近は地方銀行やメガバンクの方が相対的に金利面で見劣りしない、むしろ有利なケースも増えてきています。「ネット銀行だから安いはず」という思い込みだけで借り換え先を選ぶと、実は選択肢を狭めてしまっているかもしれません。
日銀の追加利上げで、AUじぶん銀行が10月から0.6%引き上げ
さらに追い打ちをかけるように、先日日銀が政策金利を0.25%引き上げると発表しました。これは事前に予想されていた動きではありましたが、これを受けて短期プライムレートが再び上昇し、AUじぶん銀行は10月分の金利から0.6%の引き上げを発表しています。
この0.6%という数字、一見小さく見えるかもしれませんが、影響は決して軽くありません。仮に6,000万円を変動金利で借りたばかりの場合、残債はほぼ6,000万円のままなので、単純計算で年間約36万円、月々約3万円分の利息負担が増える計算になります(6,000万円×0.6%÷12ヶ月)。ただし後述する「5年ルール」により、この増加分がそのまま来月の返済額に上乗せされるとは限らない点に注意が必要です。
変動金利は「多くの銀行が横並びで安い」という状態がずっと続いてきましたが、今回のように銀行ごとに引き上げ幅や対応スピードに差が出てくると、「今借りている銀行が、実は今の相場より高くなっている」というケースが今後増えていくはずです。今の金利が本当に有利なのか、一度立ち止まって確認する価値があるタイミングだと思います。
同じネット銀行でも対応は正反対:AUじぶん銀行は「5年ルール」あり、SBI新生銀行は「なし」
AUじぶん銀行とSBI新生銀行は、どちらも変動金利の安さで人気のネット銀行という点では同じカテゴリーです。ただ「5年ルール・125%ルール」の採用有無について公式情報を確認したところ、この2行では対応が正反対でした。「ネット銀行だから一律にこう」とは言えず、同じネット銀行同士でも銀行ごとに個別の確認が必要ということです。
- AUじぶん銀行:5年ルール・125%ルールが適用されます。借入後5回目の10月1日(または4月1日)を基準日とする見直しまで毎月の返済額は一定に保たれ、金利が上がっても直近の返済額の125%を超えて増額されることはありません。金利の見直し自体は年2回(4月1日・10月1日)行われます
- SBI新生銀行:5年ルール・125%ルールは採用していません。金利が変われば、比較的早いタイミングで毎月の返済額そのものに反映される仕組みです
つまり、今回AUじぶん銀行で変動金利を借りている方は、10月の0.6%引き上げが決まったからといって、来月の返済額がすぐに3万円増えるわけではない可能性があります。一見ありがたい仕組みに思えますが、注意点もあります。5年ルールで返済額が据え置かれている間、増えた利息分を返済額でまかないきれない場合は「未払利息」として繰り越され、最終的に一括での精算を求められることがあります。返済額が変わらないからといって、負担そのものが消えたわけではないということです。一方SBI新生銀行のように5年ルールが無い銀行は、負担増がすぐ家計に見える代わりに、未払利息が発生しにくいという特徴があります。どちらが良い・悪いという話ではなく、「自分の借入先がどちらのタイプか」を把握しておくことが大切だと感じました。
参考:auじぶん銀行 住宅ローンの金利、SBI新生銀行 よくあるご質問(125%ルールについて)
2026年8月の借り換え市場:メリット額は3ヶ月ぶりに増加へ
ちょうど、住宅ローン比較診断サービス「モゲチェック」を運営する株式会社MFSから、2026年8月時点の借り換えユーザーの最新動向データが公開されました(借り換え診断ユーザー時系列データ n=6,597、意向アンケート N=8,394、2026年8月末時点集計)。上記の金利上昇局面を踏まえると、非常にタイムリーな内容だったので紹介します。
| 指標 | 2026年8月 | 前月比 |
|---|---|---|
| 現在返済中の平均金利 | 1.56% | +0.01pt(8ヶ月連続で上昇) |
| 借り換え先の平均金利 | 0.96% | +0.01pt(ほぼ横ばい) |
| 金利差 | 0.60% | 前月と同水準 |
| 平均メリット額 | 約177万円 | +9.4万円(3ヶ月ぶりに増加) |
現在返済中の平均金利は1.56%まで上昇を続ける一方、モゲチェックが提示するネット銀行等の借り換え先金利は0.96%と低水準を維持。両者の差である0.60%は、借り換えでメリットが出やすいとされる目安「0.3%以上」のちょうど2倍の水準です。5月以降減少傾向だった平均メリット額も、8月は約177万円へと3ヶ月ぶりに増加に転じています。金利上昇局面でも、借り換えによる経済合理性そのものはむしろ強まっているとも言えそうです。
具体的なイメージとして、残債3,000万円・残期間25年のローンで金利を1.56%から0.96%まで下げられた場合、月々の返済額で約8,300円、総返済額では約250万円の削減効果が見込まれるとのことです。残債が大きく、残期間が長いほど削減効果は大きくなります。
借り換え検討層のリアルな属性と、変動・固定それぞれの意向
データによると、借り換えを検討している層の平均年齢は43.9歳、平均残債は3,007万円(前月比-54万円)。30代後半でマイホームを購入し、10年前後が経過した層が中心のようです。残期間がまだ十分に残っているタイミングだからこそ、金利差による削減効果が大きく出やすいと言えます。
金利タイプの意向についても興味深いデータが出ています。現在変動金利で借りているユーザーのうち、48.1%が「固定金利への切替」を検討しているという結果でした(残り51.9%は変動を継続希望)。一方、固定金利ユーザーで「変動への切替」を検討しているのは31.4%にとどまり、68.6%は固定の継続を希望しています。金利が上がり続ける局面では、変動から固定への関心が高まりやすい一方、固定を選んだ人はその安心感を手放したがらない、という非対称な心理がよく表れているデータだと感じました。
借り換えで失敗しないための2つのポイント
モゲチェックの住宅ローンアナリストは、今の局面で借り換えを検討する際に、次の2点を意識するよう勧めています。
- 金利差0.3%以上なら要検討:登記費用・保証料・事務手数料等の諸費用を考慮しても、金利差が0.3%以上あれば削減効果が上回りやすいとされています。2026年8月時点の平均金利差0.60%は、この目安を大きく上回っている状態です
- 借り換えは早いほど有利:「そのうち考えよう」と先延ばしにしている間も、金利差がついたままの状態で返済を続けることになり、本来得られたはずのメリットを毎月取りこぼしていることになります
今回のAUじぶん銀行のように、変動金利でも銀行によって引き上げ幅に差が出始めている以上、「今の借入先が今の相場より高くなっていないか」を確認するだけでも意味があります。モゲチェックなら全国約30の主要銀行の借り換え金利を一括比較でき、条件によっては最短3分の無料診断で年0.9%台の金利案内や、診断結果に応じた特別金利の案内を受けられる場合もあるとのことです。
まとめ
変動金利で借りている方にとって、今回の日銀の追加利上げとそれに伴う一部銀行の金利引き上げは、家計への影響が無視できない規模になり得ます。一方でモゲチェックのデータが示す通り、借り換え自体の経済合理性はむしろ強まっている局面でもあります。「今の金利が本当に有利なのか」を確認する意味でも、一度無料診断で自分のケースのメリット額を数字で把握してみることをおすすめします。
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対象は借り換えのみで、新規借入(住宅購入時)の比較には使えない点だけ注意してください。
本記事内のモゲチェックのデータは、株式会社MFSが提供する借り換え診断ユーザーの集計データ(2026年8月末時点、診断ユーザー時系列n=6,597/意向アンケートN=8,394)に基づいています。個別の金利・メリット額は診断条件により異なりますので、実際の数値はモゲチェックの無料診断でご確認ください。本記事の内容は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品への申込みを保証するものではありません。